一瞬先は闇の夜

地味で根暗な底辺アラフォー喪女の吐露

アラフォー女の脱喪宣言

笑われるでしょうか。

軽蔑されるでしょうか。
アラフォーなんていい歳して、夢を見たいんです。
恋をして、結婚したいんです。
一度でいいから、お洒落ですね、とか、素敵ですね、とか、かわいいねって言われたいんです。

他人の目を気にしすぎでしょうか。

でもね、わたしが大学生だったころ、また社会はブランド志向で、みんなが持ってるものを持つことがステータスだったの。
今はみんな、プチプラのものを自分にカスタマイズして、これがわたし、っていうのがおしゃれなんでしょ。
でも、当時は、神戸系やギャル系が最上位で。
まだブログもまとめサイトもなくて、お洒落な人がどうしてお洒落なのかの見当もつかないまま、わたしみたいに成功体験のない人間は、もうどうしたってそこに、憧れてしまったの。
口にも顔にも絶対に出さなかったけれど。

30数年の間に積み重ねて挫折の記憶が、絡みついて、自分に自由になれないんだと思う。


例えばね、大学生の頃、母とデパートにお洋服を買いに行ったの。
その当時、何が流行っていたのか、いまも知らないのだけど、なんとなくバルーンスカートがおしゃれな気がして、探そう思ったのね。
母と離れて、店員さんに勇気を出して聞いてみた。
そうしたら、わたしを一瞥して、「え、うちの店でですか?」。
どんなお店に入ればいいかも分からなくて、とりあえず、いちばん近いお店で聞いて、そのお店は今思えば多分、ハイキャリアのお洋服を取り扱っていたのだと思う。
でも、そんなこと分からなくて、多分、テンパってて視界が狭くなってお店の中とか見れてなくて。
だから、決してあの店員さんの反応は的外れじゃなく、わたしでも同じこと言ったと思う。

だけど、あの日のわたしは、わたしなりにおしゃれをしていたつもりだったから、張り切ってお洋服探そうっていう気持ちが途端にしぼんで、顔をビンタされたようなショックで動揺して。
多分、そのあとはずっと俯いていたのだと思う。
白いピカピカツルツルの正方形の床面パネルが頭から離れない。

あれは、初めてマスカラを使って、ビューラーで上げて、パッチリ目になれたって喜んでいたのち、キラキラ女子の子の「深夜子さんらしいよ笑笑」っていう含み笑いと目配せで突き落とされた時の気持ちに似てた。

ダサいのは分かってるの。
抜け出したいの。
でも、何がおしゃれなのか分からないの。

どうやって調べればいいかもわからなかった。
そんなこと聞けるともだちもいなかった。
自分が恥ずかしくてつらかった。
だから興味ないふりをした。
そんな、他人の物差しは必要ないって顔をした。

その結果、わたしは今も、あの日のわたしのまま。
こんな意固地な女には、男も寄り付かない。
女性もね。
いわゆる喪女で、オタクでもないから仲間もいなくて、ただの気難しい、仕事もできない、不機嫌なだけのお局になった。

脳内に、理想のわたしがいて、恋人もいる。
それでいいじゃないって思ってたけど、全然よくなかった。

変わりたいの。
もっと、素直に軽やかに生きてみたい。

だからね。
承認欲求なんて下らないかもしれないけれど。
わたし、まずは脱喪して、素敵な女性を目指すことにした。
一度誰かに認めてもらえたら、そこから「自分なり」を目指すから。

その過程で、多分また失敗して、笑われると思う。
でも、顔から火が出ても、変な汗かいても、クスクス笑われても、崖っぷちのつもりでがんばる。

変えなきゃいけないところだらけだよ。
まずは、問題を、洗い出すところから始めなきゃ。