一瞬先は闇の夜

地味で根暗な底辺アラフォー喪女の吐露

選べる立場じゃないけど、デリカシーない人は苦手だ

ええ、この歳で、自分のことは棚に上げて高望みの婚活を始めた深夜子です。

そんな中、奇跡的にマッチした40代医師の男性。
条件的に、もう二度とないことは分かっています。
それでも、どうしてもつらかったことがあるので書かせて。

わたしには、気軽に「好き」ということができないくらい、それはもう人生を賭けて、愛してきたものがあります。
きっと、マニアとかオタクとか呼ばれる人は、好きって言えないくらい好きな気持ち、分かってもらえるのではないでしょうか。

そして、わたしのその対象は、とてもとてもレアなもので、この世界に、こんなにそれを好きな人は、何十人もいないと思うんです。
だけど、そもそもそんなに価値を与えられたものではない(こんなこと言うのもつらいけど)ので、こんなに好きで突き詰めていても、マツコの部屋に呼ばれるようなことはきっと来世でもないくらいの、レアなものです。

前置きが長くなりましたが。
その男性に、趣味を聞かれました。

わたしは、上記の理由を説明して、2番目に好きなものを挙げました。
それも、多分世間的にはオタクと言われるレベルで愛しているものです。
そして、自分なりに詳しいな、と胸を張って言える、つまり、そのネタだけで一人で数時間は語れるほど好きなものを5番目くらいまで、大きな熱量で愛しているものがある、とお話ししました。

そして、彼の趣味という旅行のを聞き、素敵ですね、とかなんとかいう当たり障りのない切り口から、自分の乏しい知識と経験をつなぎ合わせながら、相槌を打ち、お互いに好きなものがあるっていいですね、と締めたときに、事件は起こりました。

「え?深夜子さんは無趣味だと思うよ?」
「え?わたし、好きなものいくつか挙げましたけど。。」
「うん、でも旅行嫌いなんだよね?」
「ええ」
「無趣味じゃん」

なんだそれ!
お前の物差しに合わないものは存在意義がないとでも?

とキレかけましたが、そこは喪女ですので、一応自分の身分は弁えて、震える声で、

「でも、好きなものにかける愛情が深い、それは趣味とは認めていただけないのですか?」

と問うてみたのです。
すると、具体的なエピソードを聞かれたので、自分なりの分析ノートを作っている、とか聖地巡礼とか、その辺りのお話をすると、「確かにそれはおかしな人だね」と返ってきました。

おかしな人だね、というコメントもどうかと思いつつ、まあ大正解ではあるのでぐっと我慢していたのですが、重ねて彼は、「でもやっぱり旅行嫌いなのは、世間一般では無趣味だと思われるよ」と続けました。

もう、それでいいです。
彼的には、もうわたしとはこれ以上の関わりを持つこともないと判断して、このような言葉を放つのでしょうから。
好きなものを否定されるのは、とてもとてもつらいことで、わたしも、その場からもう1秒でも早く離れたかった。

それなのに、彼はその後、一番目に好きなものを、繰り返し繰り返し聞いてきたのです。
きっと、教えたところで、同じように否定されるのは目に見えています。
それなのに、会った後も、話題が変わるたびに、「一番目は結局なんなの?」と。

もはや、わたしに対する興味ではなく、わたしのような喪女が、言えないほど好きなもの、というのが気になって仕方ないだけなのでしょう。
傷付けられる(わたしが勝手に傷付いているだけではありますが)のが分かっていて、どうしてわざわざネタを提供しなければならないのか。。
そう思い、
「ごめんなさい、きっとご理解いただけないと思いますので、お伝えしません」
とメールしました。

「あっそ。意味が分からないから別にいいけど。」

それが最後です。
きっと、自分を押し殺して、彼が喜ぶような受け答えをしたとしても、そもそも彼には響かなかったと思います。
それは分かってる。
それでも、できなかった。
スキル的にもできなかったし、やっぱり自分の芯になって、わたしを支えてきてくれたものを、否定するような人に迎合することはできない。

まだまだ修行が足りませんね。
この歳まで、色々なことを言い訳に、恋愛市場にも婚活市場にも参戦してこなかったわたしは、まだスタートラインにも立てていないのですから、妥当な経験なのかもしれません。

だけど、少し疲れて、とてもかなしい。
しばらく静かに、休みます。